最近日本では、ベジタリアンの中でも魚や乳製品を摂取する「ペスカタリアン」という食生活が流行していますよね。
モデルや芸能人の間でも注目されているようです。
私も以前は魚が大好きなペスカタリアンでしたが、様々な文献や論文を読んでいるうちに、ヴィーガンの食生活へとシフトしました。
お肉は減らせても、魚だけは諦めきれない…。
そんな方に最後まで読んでほしい内容になっているよ!
こんな疑問を解決します。
- ヴィーガンは何故魚を食べないの?
- 魚は痛みを感じるの?
- 魚を食べなくても生きていける?
それでは見ていきましょう。
そもそもヴィーガンとは?
ヴィーガン(Vegan)を一言でいえば、あらゆる動物搾取を最小限に抑えて生活する生き方のこと。
例えば、このようなアクションで社会に抗議しています。
- 肉・魚・乳製品・卵等動物性食品を食べない
- 動物性の皮などの衣類を買わない
- 動物実験された化粧品などを買わない
制約が多いなあ…。
そう思われがちだけど、ヴィーガンは強い意思を持って行動している活動家なんだ。
ヴィーガンは食生活のことではなく、反動物搾取を目指す生き方のことである。
ヴィーガンになるきっかけは様々なんだ。
ヴィーガンになるきっかけは、主に下記の3つであることが多い。
- 動物のため
- 地球環境のため
- 健康のため
この記事では、ヴィーガンが実践する食生活「プラントベース(植物性中心の食生活)」における健康上の影響にフォーカスしています。
倫理的な観点から
魚は痛みを感じる?
ヴィーガンの間で最も支持されている意見が、「魚も痛みを感じるから」というものですね。
魚は痛みを感じないんじゃないの?
実は、魚は傷みを感じないという理論は、ひと昔前の話なんだ。
魚は痛みを感じ、恐怖を示す。
魚が痛みを感じ、恐怖を示すことさえあるということが、最近の研究で明らかになってきています。(参考文献)
魚が傷みを感じるという事実は、つい最近になってようやく明らかになってきました。
そのため、そのことを知らない人がいてもおかしくないのです。
上記リンクは少し長い研究論文ですが、読んでみる価値ありです。
捕獲された魚は一般的に窒息死しますし、水面に引っ張られる過程で圧力が下がり、臓器が破裂したり胃が口から出てしまうこともあります。
これがもし犬や猫だったらどう思うかな?
怒りが爆発しそうだよ…!
魚も犬や猫のように、痛みを感じる生き物であることから、
「犬猫はOKだけど魚はOK」という考えは「種差別」にあたります。
種差別とは、人間が特定の生き物を不当に道徳的考慮から除外することを意味します。
例えば犬を食べることは一般的ではありませんが、豚や牛を食べることは普通という考え。
同じように痛みを感じ、感情のある動物でさえも同じように扱うことのできないのが人間です。
魚もペットとして飼われることがありますが、一方で人間があまり愛着を持たない生き物の一つではないでしょうか。
「オストロベガニズム」という考え方
ベジタリアンの間でも、魚は食べないけどアサリ、ムール貝、カキ、ホタテなどの貝は食べるという「オストロベガニズム」という考え方も存在します。
これらの二枚貝は中枢神経系を持っていないため、一般的に痛みを知覚しないと言われています。(参考論文)
しかし、二枚貝は非常な複雑な神経系を持っており、痛みに似た感覚を感じる可能性があることを、いくつかの研究が示しています。
そのためこの考えは物議を醸しているのです。(参考論文)
健康の観点から
魚は一般的に栄養価が高いことで知られていて、タンパク質、オメガ3脂肪酸、ビタミンB12、ヨウ素、セレンなどの、人間にとって重要な栄養素をバランスよく含んでいます。
これは紛れもない事実です。(参考論文)
しかし、その豊富栄養素と同時に、危険な汚染物質も摂取しているのだということを忘れてはいけません。
特に有名なものだと、水銀、放射線物質(日本の場合)、発がん物質PCB、マイクロプラスチック。
もちろん少しの量なら問題ありません。
これはとても危険なことだと科学者たちは警告しているんだよ。
さらにWWF(世界自然保護基金)の委託により豪ニューカッスル大学が実施した調査によると、
現代人は一週間あたりクレジットカード一枚分と同量のプラスチック(5g)を食べているとのこと。
少ない量だとしても、毎日口にすることによって、体に蓄積されていくのです。
さらに養殖魚の多くは遺伝子組み換えされており、高用量の抗生物質を混ぜた餌を与えられています。
狭い海中ケージの中に大量の魚を養殖する場所はウオジラミのような寄生虫でいっぱいだからです。
最近の海の環境は過酷そうだしね…。
環境問題への懸念から
漁業がなぜ環境問題とつながっているか、いまいちイメージできない人も多いと思います。
しかし2020年現在、漁業は海の環境を脅かす最も大きな原因の一つ。
2050年には魚を食べられなくなる可能性が高い
国連食糧農業機関によると、「世界の魚種の70%以上が完全に利用されているか、枯渇している」とのこと。
世界中の漁業では、一度に大量に魚を捕獲する持続可能でない方法を取っています。
その結果、海洋生物は生態系バランスを崩してしまうのです。
乱獲と深刻な水質汚染、地球温暖化による海水温上昇の結果、2050年以降、魚が食べられなくなると言われています。
これは2006年にアメリカの科学雑誌『サイエンス』に発表された論文のデータです。
冷静に考えたらあと20年もない…。
未来の子供たちは魚の味を知ることすらないのかもしれないね。
プラスチック問題
海のプラスチック問題はかなり深刻な状態まできています。
海には、漁に使用する漁網、釣り糸などが大量に捨てられており、ウミガメなどたくさんの海洋生物が絡まって命を落とします。
毎年少なくとも800万t分のプラスチックが海に流出しており、海のプラスチックの量は、2050年までには魚の量を上回る計算です。
プラスチックは生分解性ではありません。
一度捨てたら半永久的に地球上に残り続けます。
そして地球環境を破壊し、大量の野生動物や海洋生物を傷つけます。
混獲問題
魚を食べるのなら、混獲について知っておくべきです。
混獲とは、漁業の際に、漁獲対象の種とは別の種を意図せずに漁獲してしまう、もしくは同種の間においても、意図していたよりも小さい個体や、幼体を捕獲してしまう状況のこと。
(Wikipedia)
漁業では、捕獲対象でない数えきれない生物が網にかかって死んでしまいます。
カメから海鳥、イルカなどもたくさん犠牲になります。
「イルカを守るマグロ」というものもあるよ。
これは、エビの船が敷設した網でイルカが頻繁に窒息死していたためです。
エビ産業では、収穫されたエビ500gあたり最大10Kgの混獲が発生すると言われています。
海を漂う漁網は「ゴーストネット」と呼ばれ、毎年およそ650000の海洋生物が犠牲になっています。
上記のような問題を解決するために最近、「持続可能なシーフード」という商品が店頭に並ぶようになりました。
これらの商品は大量捕獲を避けるために制限を設けているものです。
結局どうすればいいの?
魚には健康上のメリットがあることは否めません。
しかし、人間の健康のために絶対に必要なものではありません。
出汁は昆布だしがありますし、最近は野菜を使ったお寿司もたくさんあります。
DHAは植物の種子から摂取できます。
アマニオイルやごま油などを積極的に摂取するようにしましょう。
魚をやめたくなったんだけど、急に食生活を変えるのは心配…。
大丈夫。自分のペースでいいんだよ。
食事スタイルを変える時は無理をしない
慣れ親しんだ食事スタイルを急に変えるのは簡単ではありません。
自分に合った方法で、少しずつ変えていくようにしましょう。
まずはプラントベースの食事を好きになるところから始めるといいよ。
急な変化で体調崩しちゃったら本末転倒だもんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
魚をペットとして飼ってみると分かると思いますが、とても賢く感情のある生き物です。
少しずつこのテーマの研究が進み、少しでも多くの魚たちが救われることを願ってやみません。
このブログでは、ヴィーガンの思想や健康上メリットに関する様々な情報を発信しています。
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