人間は肉食動物?草食動物?ベジタリアン歴が長い?【科学的根拠】

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私たち人間は一般的に「雑食動物」と言われていますが、肉食動物か草食動物どちらに近いでしょうか?

肉が好きだから肉食動物かな。

私は動物性食品全般、体質に合わないと感じているよ。

筆者は幼いころから肉、乳製品、卵、魚が苦手で、食べると胃もたれを起こしたり、不快感を感じたりと、自分の体に合っていないと感じています。

一方、野菜だけを食べすぎるとお腹の調子が悪くなるという人も存在します。

そこで今回は、生物学的に見て人間は肉食動物か草食動物どちらに近いのかについて、科学的根拠をふまえて解説してみたいと思います。

こんな疑問を解決します。

  • 人間はどちらかといえば肉食?草食?
  • 昔の人は何を食べていたの?
  • 消化に向いているのはどっち?
  • 結局何が理想なの?
目次

昔の人は何を食べていたの?

歴史的に見ると人間はベジタリアン歴が長い。

コーネル大学の名誉教授で「The China Study」の著者であるT.コリンキャンベル博士は、このように書いています。

「歴史的にみると人間(特にアジア人)が肉食を始めたのはつい最近の事だ

The China Study

またカリフォルニア大学バークレー校の環境科学・政策・管理学部Katharine Miltonは、次のように述べています。

「霊長類から人間への進化工程で私達の祖先は著しく草食であったということが、一般的に理解されている。」

そして香港理工大学のIris F.F. Benzieは、化石の歯についている歯垢や廃棄物などを調査した結果、下記のように結論づけています。

1万年前の人類は、現在の10倍のビタミンCと食物繊維を摂取していたため、代謝的にコストのかかるビタミンC合成能力を失った。」

肉食動物は体内でビタミンCを生成することができますが、

日常的に大量のビタミンCを摂取していた私たちの先祖は、体内でビタミンCを生成する必要がなかったということです。

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Physicians Committee for Responsible Medicine会長のニール・バーナード博士は自身の著書の中で、下記のように話しています。

初期の人類は他の霊長類と非常によく似た食事(プラントベース)をしていました。 研究によると人間の肉食の歴史は、肉食動物が残した残り物を食べることから始まったもの。しかし、私たちの体は未だに肉食に適応しておらず、肉食が心臓病、癌、糖尿病、およびその他の病気を引き起こすことが分かっている。

肉食動物の「おこぼれ」をもらってたってことだね。

類人猿の約2000万年の進化系統は著しく草食性です。

人間の消化器官、栄養素の必要量、代謝などの生理機能は、他の類人猿や草食動物とほとんど変わりません。

人類は約15万年の歴史の大部分を、ベジタリアンとして過ごしてきたからです。

肉を食べることは自然?食物連鎖?

食物連鎖っていう言葉があるよね。肉を食べることは自然の摂理だよ。

私たちが食べている肉は工場型畜産の産物だよ。連鎖はしていないかな。

人間は人工授精や遺伝子組み換えによって家畜の数を必要以上に数を増やしてきました。

地球上に住む哺乳類のうち家畜動物は60%まで増えた一方、人間はわずか36%なのです。

家畜を育てるために貧困層の食糧を賄うことすらできていない。

人間が食べないとどんどん動物の数が増えてしまうよ。

本当にそうかな?

現在地球上に残された野生動物の割合はたったの4%。

大部分は人間が人工的に増やしている家畜動物なのです。

さらに、家畜を育てるための餌の栽培などのために、森林を燃やして野生動物の住処を奪うことまでしています。

需要があるから供給も上がります。

つまり、肉を食べれば食べるほど家畜動物の数も増えるというわけです。

工場型畜産はこんな感じ。

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肉食動物には鋭い牙や爪がありますが、人間はナイフや銃を使わなければ殺すことができません。

血を見ると「おいしそう」ではなく「気持ち悪い」と感じる人が大半ではないでしょうか?

もしかすると、人間の体は動物を殺して食べるためにできていないのではないでしょうか?

人間にも犬歯がある?

人間には犬歯があるでしょ。あれは肉を嚙みちぎるためだよ。

人間の犬歯って、鋭い形してたっけ?

人間の犬歯と肉食動物の犬歯を比べたって、似ても似つきません。

歯の形から見ても、人間は草食動物に近い雑食動物と言われています。

人間の犬歯は犬やライオンのように、鋭くとがっていません。

肉食動物である犬の歯はこちら。

人間には鋭い爪がない

肉食動物は鋭い爪を使って動物の皮や肉を引き裂きます。

しかし私達人間は、平らで柔らかい爪を持っているため、

鋭利な道具を使わなければ、肉や皮を引き裂くことはできません。

人間は道具を使わなければ狩りができない。

肉食動物の顎は上下にしか動かない

顎の形はどうかな?

肉食動物の顎は縦にしか動かせません。

獲物の肉を一瞬で切り裂き、肉の塊を丸飲みできるようにできています。

大臼歯はハサミのように上下重なるようになっており、肉や皮をを引き裂くためものです。

一方草食動物の顎は上下左右に動きます。

奥歯で野菜や果物を咀嚼するための構造になっており、人間はこれに当てはまります。

人間の大臼歯は平らにできており、繊維状の植物性食品(特に種子など)をかみ砕くのに向いている。

人類学者のリチャード・リーキー博士は、次のように話しています。

人の手で肉を引き裂くことはできません。人の手で皮を引き裂くことはできません。 私たちの前歯は、肉を引き裂くのに適していません。 私たちには大きな犬歯がなく、それらの大きな犬歯を必要とする食料源に対処することはできませんでした。

そもそも肉食動物は強い酸性の消化液を持っているため、よく噛んで食べるなどということは不要なんだそう。

人間の消化液は肉を消化するのが苦手

肉食動物は他の動物の肉を生のまま丸飲みします。

そのため人間よりはるかに強い酸性の胃液を持っています。

犬は基本的に噛まずに飲み込むね。

胃液が強い酸性であることにより、生肉に含まれるバクテリアを殺し、病気を防ぐことができるのです。

人間の場合、肉食動物とは比べ物にならないほど弱い胃酸を持っており、肉を消化するのに向いていません。

そのため消化するのに長い時間とエネルギーを必要とします。

そもそも、人間は肉を加熱処理しないと食べられないよね。肉食動物のような消化液がないから。

スミソニアン国立自然史博物館の古人類学者であるBriana Pobiner氏は次のように話しています。

「私たち人間が、祖先から現代まで行ってきた肉食には、必ずなんらかの加工技術を必要とします。そのため、人間の体が肉を食べるためにできているとは考えにくい。」

腸の長さ

肉食動物の方が草食動物よりも長い腸を持っていることはご存じかと思います。

肉食動物の腸が短いのは、肉が体内で腐って有害な物質を出すのを防ぐために、短い時間で体を通過できるようになっているからです。

肉が長時間体内にあると腐ってしまうからね。

人間の腸は草食動物ほど長くはないものの、同じサイズの肉食動物と比べたらはるかに長い腸を持っています。

腸が長いということは、植物性の繊維を分解し栄養を吸収することができるということ。

人間の腸に肉を入れると危険」とまでいう学者も存在する。

なぜなら肉に含まれるバクテリアが長い時間人間の消化器官に留まることで、食中毒や結腸癌を発症するリスクを高める可能性があるからです。

さらに、肉は人間の腸の中で腐敗するため、おならや便が臭くなります。

(参考: Milton Mill医師の「The Comparative Anatomy Of Eating」)

人間の本能

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子豚の赤ちゃんを見て、「おいしそう」と感じますか?

私はおいしそうとは思わないかな。

もし感じないのなら、あなたは肉食動物ではない可能性が高いです。

もしあなたが肉食動物だとすれば、本能的に「首の骨をかみ砕いて殺して生肉を食べたい」とよだれを垂らすはず。

そうでないなら、あなたの体が動物の肉を必要としていないということではないでしょうか。

もしお腹が空いているときに「リンゴ」と「犬」が目の前にあったら、どっちを選ぶ?

現代の肉食文化

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つい最近までは、裕福な人々だけが日常的に肉を食べることができました。

経済的に余裕のない人たちは一般的に植物性の食事が中心だったため、20世紀以前は富裕層ばかりが生活習慣病(心臓病、肥満など)に悩まされていたのです。

工場型畜産の普及に伴い動物の肉が比較的安価になり、簡単に入手できるようになった現在、

心臓病、脳卒中、癌、糖尿病、肥満などの生活習慣病が世間一般で当たり前となりました。

そして、西洋のライフスタイルがアジアやアフリカの発展途上の地域に波及するにつれて、

そこでの人々も肉ベースの食事に関連する病気の発症率が急上昇。

人間が動物性タンパク質を消費する場合、大腸がん、乳がん、前立腺がん、膵臓がんなどとの関連があることを示した研究がいくつもある。

Cornell-China-Oxford Project on Nutrition, Health, and the Environmentのディレクターである管理栄養士のT. Colin Campbellが次のように述べています。

「今後10年間で、動物性たんぱく質が人間の体にとって最も有害であるということを耳にする機会が増えることでしょう。」

一方肉食動物が動物性食品を摂りすぎても問題ないと、医学博士で元米国循環器ジャーナル編集長のWilliam Clifford Roberts博士は述べています。

アメリカ人が毎日食べるコレステロールの平均量の約200倍を犬に与えても、動脈硬化を起こすことは不可能なんだとか。

人間とは対照的に、肉食動物は肉を食べすぎても生活習慣病にならない。

一方ウサギなどの草食動物に大量のコレステロールを与えると、すぐにアテローム性動脈硬化症を起こします。

人間はコレステロールを摂りすぎると動脈硬化を引き起こす確率が急上昇するため、草食動物に近いということになります。

人間は雑食動物?

人間は「雑食」だから、動物性と植物性をバランスよく摂取するべきじゃない?

本当にそうかな?

実は人間は猫のような肉食動物や犬のような雑食動物ではなく、実際には主に草食動物であるという研究結果が多く存在します。

飽和脂肪、トランス脂肪、コレステロールを避けるべきと言われるのは、人間が草食動物に多いアテローム性動脈硬化症にかかりやすい体質だから。

そもそも植物性だけのプラントベースの食生活をしていれば、コレステロール値など気にする必要がありません。

つまり、人間にはプラントベースの食生活が圧倒的に適しているということ。そのため、

動物性と植物性を1:1で摂取するよりも、食事の大部分を植物性で補うことが理想。

食事スタイルを変える時は無理をしない

慣れ親しんだ食事スタイルを急に変えるのは簡単ではありません。

自分に合った方法で、少しずつ変えていくようにしましょう。

まずはプラントベースの食事を好きになるところから始めるといいよ。

急な変化で体調崩しちゃったら本末転倒だもんね。

まとめ

動物性食品が人間の体にとって有害であるということは、数々の研究によって明らかになってきています。

私達の先祖がそうしていたように、食事の大部分を植物性で補うべきであるということが、新時代の常識となりつつあります。

そうすることで生活習慣病などのあらゆる病気を予防し、消化器官に負担をかけることまで防ぐことができるのです。

今、動物性が危険と気づきプラントベースに移行する人が、世界中で急増しています。

今までの当たり前はもう、「昔の話」になってきています。

まずはご自分の食生活を見直してみましょう。

このブログでは、ヴィーガンの思想や健康上メリットに関する様々な情報を発信しています。

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