保護犬は難しい?引き取り~慣れるまで時間がかかる?【※必見!】

保護犬

保護犬を飼ってみたい」という方は、実は今とっても多いんですよ。

近年増加傾向にある悪質なブリーダーやペットショップは、「生き物」である犬を商品のように大量生産することで、多額の利益を得てきました。

そんな中、繁殖犬として一生苦しむ犬や、家族に馴染めず捨てられる犬、飼い主の一方的な都合で飼育放棄される犬が後を絶ちません。

飼えなくなった犬は動物保護団体に引き取らせたり、最悪の場合保健所へ連れていかれて殺処分されてしまうことも。

犬は捨てられても飼い主さんのことを一途に思っているよ。

保護犬

せっかく犬を家族に迎えるのなら、一匹でも多くの命を救いたいと思いませんか?

1匹でも助かる命があるのであれば…!

こんな疑問を解説します。

  • 保護犬を引き取るのは難しい?
  • 保護犬を飼うメリットは?
  • 保護犬といえば雑種だけなの?

この記事では自ら野良犬を保護した筆者が、実体験を交えて解説します。 

少しでも保護犬を飼ってみたいと思う方は、是非最後まで読んでみてくださいね!

目次

そもそもなぜ保護犬を飼うべきなの?

犬を迎えたいと思ったらどうする?

まずはペットショップへ行くかな。

日本では、犬を飼いたいと思ったら真っ先にペットショップかブリーダーさんを探す人が多いですよね。

しかしそのその裏では、

「かわいいから」「お金になるから」など、人間の一方的な都合で大量繁殖させられているペットたちがいます。

環境省によると、2010年度の犬猫の処分数は約 20万頭。

2022年現在これらの数は年々減少してはいるものの、新しい飼い主が見つかるのはわずかで、その多くは殺処分されています。

でもそのために動物保護団体があるんじゃないの?

飼育放棄された子たちを引き取る動物保護団体たちは、「喜んで引き取っている」わけではありません。

「引っ越し先がペットNGだから」「高齢で世話ができなくなったから」「子供ができたから」。

このようなやむを得ない理由で預けるのだとしても、そんな事情ペットたちには分かりません。

飼育放棄であることに変わりはないのです。

驚くかもしれませんが、

「なついてくれないから」「噛んだから」「大きくなってもう可愛くないから」

そんな理由で飼育放棄をする人もいるのです。

我が子同然のペットをそんな簡単に手放すなんて、私には絶対にできないよ。

しかし、捨てられてしまった犬たちの命を繋ぐため、「譲渡」という手段があります。

現在、全国の動物保護施設で保護犬の譲渡が行われており、2010年の時点で犬猫の譲渡数は約2万9000頭に上りました。それでもいまだに多くの犬猫が殺処分されているのが現状です。(参考文献)

保護犬を飼うことの難しさ

保護犬って何かしら抱えてるイメージ。難しそう。

保護犬が難しいと言われる理由をいくつか紹介するね。

トラウマを抱えている場合がある

過酷な環境で育ってきた保護犬たちは、トラウマを抱えていることも珍しくありません。

虐待を受けたり、狭いところに閉じ込められたり、ネグレクトされたりと、壮絶な過去を持っている子が一定数います。

例えば男性からほうきで叩かれていた子は、「男性」と「長い棒」を極度に怖がったりします。

狭いところに閉じ込められていた子は、ケージに入れるとパニックに陥ることも。

そのような場合、飼い主が時間をかけて見守ってあげたり、必要に応じてトレーニングをさせることが大切です。

慣れるまでに時間がかかる

お外で育った野犬や、ストレスの多い環境で育った子たちは、新しい環境に慣れるのにとても時間がかかることがあります。

人間でも同様ですが、生き物が新しい環境に「順応」することは容易ではありません。

ワンちゃんにも個性があり、「順応しやすい子」と「順応しにくい子」がいます。

それを理解した上で、「飼い主のあなたに、どれだけ忍耐強く待ってあげる覚悟があるか」ということを考えてから迎えなければいけません。

出会ったその日からなついてくる子もいれば、半年たっても警戒心が消えない子もいます。

場合によっては、トレーニングが必要なこともあります。

しかし脳がやわらかいワンちゃんたちは、人間よりもはるかに「順応性」が高い子たちです。

根気よく見守ってあげれば、必ず心を開いてくれます。

ちなみにうちの子は、4日でおなかを見せてくれるようになったよ。

病気やケガの心配

ほとんどの場合、保護されるワンちゃんたちは過酷な環境で生まれ育っています。

不衛生な環境で病気になってしまっても治療はしてもらえないし、ケガをしてしまって治らないまま一生を過ごす子もいます。

保護犬はこわい病原菌を持ってそう」というイメージを持っているかもしれませんが、

危険な病原菌や寄生虫などは、予防接種や虫下しで対応ができます。

うちの子は膝の脱臼を持っていたのと、幼少期の栄養不足による歯の問題があったよ。

小さい頃の姿が見れないことも

犬は小さい頃に迎えると、愛着が湧いて可愛いがることができると言われていますよね。

愛犬の成長を見れるということは、「子育て」のような感覚に似た素晴らしさがあります。

保護犬は成長してしまっている子がほとんどなので、小さい頃の姿が見れないことは、ある意味デメリットと言えるかもしれません。

しかし実際には、成長してしまうと可愛くないと思う飼い主さんは多く、それが理由で愛犬を手放してしまう人が後を絶ちません。

保護犬

成長した子を迎えれば、容姿が変わることで愛着がなくなる心配はないと思うんだ。

保護犬を飼うメリット

保護犬を飼うことが難しいと言われるのは、ある意味事実かもしれません。

でも、それをはるかに上回るメリットがあるんだよ。

無駄吠えが少ない

元野犬の場合、無駄吠えが少ないことが多いと言われています。

どうして無駄吠えをする子が少ないのでしょうか?

ブリーダーやペットショップ出身で幼いころに家族から離された犬は、社会に慣れていないことが原因で吠えるようになることがあります。

犬社会での経験が少ない子の場合、知らない人や犬が来ると「こっちに来ないで!」と吠えて自分を守ろうとします。

吠えることで、優位に立ちたい、自分の立場を守りたい、と不安でいっぱい。

他の犬との接し方が分からず臆病になってしまうんだね。

一方犬社会で生きてきた犬(元野犬など)は、犬社会での階層をわきまえているため、必死になって自分が優位であろうとする必要がないといいます。

なぜなら、群れの中には「秩序」があり、それを維持するために争いを避けるのが野犬の習性だからです。

保護犬がなぜあまり吠えないのかについてはこちら。

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外でトイレをしてくれる

お外で生まれ育った元野犬の場合、「おしっこやうんちは外でするもの」という考えが根強く、家の中を汚すことが少ないと言われています。

うちの子も屋内でおしっこやうんちをしたことは一度もないよ。

犬は基本的に綺麗好きな動物なので、自分がご飯を食べたり寝たりするおうちを汚さないよう、できるだけ遠くにする傾向にあります。

室内でしてほしい場合はトイレシートのトレーニングが必要になりますが、通常よりもトレーニングが楽に感じることも多いでしょう。

精神的にも身体的にもたくましい

過酷な環境で生き延びてきた保護犬たちは、精神的にも身体的にもたくましい子が多いです。

ケガや病気を持っている子ももちろんいますが、

自立している子が多く、基本的に自分で「生き延びる術」を自然と身に着けている子が多いです。

うちの子は外の環境や物音に慣れていて、一緒に花火を楽しむこともあるよ。雷も余裕なんだ。

不幸な命を少しでも減らせる

人間の身勝手な都合により捨てられる子や、ペットショップ・悪質なブリーダーにより繁殖犬として苦しまされている子がたくさんいます。

ペットショップで「犬を買う」ということは、残酷なビジネスに加担することになると同時に、たくさんの繁殖犬たちを苦しめることに繋がります。

また飼育放棄により家族から捨てられた場合、野生に戻ることは困難です。

保健所に連れていかれ殺処分されてしまう可能性もあります。

我が家の保護犬は捨て犬の子供ですが、「狩り」を知りません。

犬という動物は、人間と共生できるよう進化してきた動物なのです。

ペットショップで犬を「買い」、苦しみの悪循環を作るよりも、今この瞬間犠牲になりそうな命を、一匹でも幸せにしてあげたいと思う人が増えています。

保護犬を選ぶメリットを挙げるとキリがないので、今回はこれくらいにしておきましょう。

保護犬といえば雑種だけ?

野山などで保護された「元野犬」の場合、サイズが大きい雑種犬が多い傾向にあります。

しかし、アパートの契約で小型犬しか認められていないなどの理由で、大きいわんちゃんが飼えないという人もいると思います。

また、特定の犬種に強い思い入れのある方もいると思います。

そんな方に検討してほしいのが、「繁殖犬」という犬の存在です。

「繁殖犬」は、主にペットショップなどに売られる純血の子たちのお母さんです。

ペットショップなどでは少しでも多くの利益を生むために、工場のような「大量生産」をする必要があります。

そのため、狭くて暗いところに閉じ込められ、一生妊娠させられ続けるのが「繁殖犬」です。

多くの場合、度重なる出産の末、病気になったり子宮に問題が出てきたりします。

そんな中必死で産んだ赤ちゃんは、すぐに取り上げられてしまいます。

「繫殖犬」として活躍した犬は、高齢や病気で出産ができなくなると捨てられてしまいます。

日本で人気の高い、純血種や小型犬がたくさんいます。

たくさん苦しんできた「繁殖犬」たちには、残りの犬生を幸せに過ごしてほしいね。

まとめ

環境省が2011年度に実施した一般市民向けのアンケート調査では、

犬の入手経路は「ペット販売業者の店舗販売で購入した」が 33.5%と最も多く、

「保健所や動物愛護センターなどで譲り受けた」は 4.7%、

「民間の動物愛護団体などから譲り受けた」はわずか 1.6%となっているそうです。(参考文献)

現在もまだまだ普及が進まない「譲渡」ですが、一匹でも多くの命が救われることを願ってやみません。

この世に不要な命なんて、ひとつもありません。

迷っている方は、一度「譲渡会」に参加してみてくださいね。

私たちのように、人生が変わるような「運命の出会い」があるかもしれませんよ!

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